相続財産の調査とは?調べ方も併せてご紹介します!

身内の方が亡くなると、遺族は悲しみに浸る間もなくあらゆる手続きや準備に取り掛かることになります。
そのうちのひとつが、遺産相続です。
今回は、遺産相続の際はじめにやっておきたい相続財産の調査についてご紹介します。

□そもそも相続財産の調査とは?

相続財産の調査とは、相続発生時に被相続人の遺産がどれくらいあるのかを調べることを指します。
法定相続人の相続分を正しく算出するために相続財産調査は必須で、抜けの無いようにすべての相続財産を確実に調査する必要があるのです。

特に、長い間離れて暮らしていたり、財産について生前になんの話し合いも行っていなかったりすると、被相続人の財産がどのくらいになるのか見当もつかないでしょう。
そんなときにまず行っておきたいのが、相続財産の調査です。

相続が開始してから3ヶ月以内に手続きを行わなければ、もし後から大きな負債が見つかっても相続放棄できなくなってしまい、大きな不利益を被る可能性があります。
また、後々になって大きなプラスの財産が見つかった場合も、納税不足や申告漏れとして制裁や利息が課されかねません。

こういった事態を避けるために、銀行の預貯金をはじめ有価証券、所有する不動産、保険料などのプラスの財産と、住宅ローンや借金、未払いの税金といったマイナスの財産のすべてを、相続財産の調査によって確実に把握する必要があるのです。

□相続の対象となる財産の調べ方

1.預貯金の調査方法

まずは、残されたキャッシュカードや通帳から口座開設していたと思われる金融機関を特定します。
そして、その金融機関に戸籍謄本や通帳などを持って出向き、法定相続人であることを証明して、預貯金の有無や残高の照会を行います。

2.不動産の調査方法

自宅や貸金庫に、不動産登記謄本や売買契約書、権利証などがないか確認します。
また、所有者に対して毎年送られる固定資産税納税通知書でも不動産所有の有無を確認できます。

3.有価証券の調査方法

取引していた証券会社が分かっている場合は残高証明書を取り寄せることで内容の把握が可能です。
取り寄せには、預貯金の確認と同様にご自身が法定相続人であることを証明しなければなりません。
取引先が不明な場合は、証券保管振替機構に情報開示請求を行います。

4.借金の調査方法

まず、自宅に借入残高が記載された書類や借用書がないか探します。
同時に税金の未納や督促状などの郵便物も精査し、管轄の自治体に対して詳細を照会します。

借入先が不明な場合は、信用情報登録機関に照会することでも調査可能です。

□まとめ

今回は、相続財産の調査とはなにかや、それぞれの財産の調査方法をご紹介しました。
相続に関する手続きには期限が設けられているため、その期限内に確実にすべての財産を調査する必要があります。
調査は個人でも可能ですが、対象の財産が多岐に渡ると予想される場合は、調査漏れがないよう専門家に依頼するのも一つの手です。