離婚時に任意売却は必要?任意売却のメリットもご紹介!

離婚によって住宅ローンが残った場合、多くの人が直面する悩みの1つに、任意売却があります。
「離婚で住宅ローンが返済できなくなったら、任意売却しかないのかな。」「任意売却って、どんなメリットとデメリットがあるの。」
このような疑問を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
離婚による住宅ローン返済の困難に直面した際に、任意売却が適切な選択肢なのか、任意売却のメリットについてご紹介します。

□離婚で住宅ローンが残った場合任意売却は本当に必要?

離婚によって住宅ローンが残った場合、任意売却は必ずしも選択肢ではなく、状況に応じて仲介による売却やローン返済の継続など、他の選択肢も検討すべきです。
任意売却が必要かどうか判断するために、オーバーローンとアンダーローンの概念、それぞれのケースにおけるメリット・デメリットを説明します。

1: オーバーローンとアンダーローンとは

住宅ローンが残っている状態で家を売却する場合、売却価格が住宅ローン残債を上回るか下回るかによって、大きく2つのケースに分けられます。

・オーバーローン:売却価格<住宅ローン残債
・アンダーローン:売却価格>住宅ローン残債

2: オーバーローンの場合

オーバーローンとは、住宅の売却価格が住宅ローンの残債を下回っている状態です。
この場合、売却してもローンを完済できず、売却後も借金が残ってしまいます。

3: アンダーローンの場合

アンダーローンとは、住宅の売却価格が住宅ローンの残債を上回っている状態です。
この場合、売却によって住宅ローンを完済することができ、残った売却代金を受け取れます。

4: 任意売却が必要なケース

オーバーローンで、売却によって得られる金額が住宅ローンの残債を大幅に下回り、残りの借金を返済することが難しい場合、任意売却を選択する必要があります。

5: 任意売却を選択しない方が良いケース

アンダーローンで、売却によって住宅ローンを完済することが可能な場合は、任意売却を選択する必要はありません。
仲介による売却を選択し、売却代金から住宅ローンを完済できます。

□離婚時の任意売却のメリット

離婚時に任意売却を選択するメリットとして、競売に比べて高く売却できること、周囲に知られずに売却できること、売却資金や時期の融通がきくことを解説します。

1: 競売に比べて高く売却できる

任意売却は、競売と比べて市場価格に近い価格で売却できる可能性が高いです。
競売の場合、売却価格は市場価格の8割程度に留まるといわれています。
一方、任意売却では、通常の不動産売買と同様に仲介業者を通じて売却するため、市場価格に近い価格での売却を目指せます。
売却価格が高くなるほど、住宅ローン残債を完済できる可能性が高くなり、借金の負担を軽減できます。

2: 周囲に知られずに売却できる

競売の場合、裁判所が物件の情報を公開するため、近隣住民に売却されることが知られてしまう可能性があります。
そのため、離婚後に住みづらい環境になる可能性も懸念されます。
任意売却は、一般の不動産売買と同じように、売却情報が公開されることはありません。
周囲に知られることなく、スムーズに売却を進められます。

3: 売却資金や時期の融通がきく

任意売却では、売却価格の中から諸経費を支払えます。
競売の場合は、別途仲介手数料などの費用が必要となります。
そのため、任意売却では自己資金を用意する必要がなく、売却代金から諸経費を支払えます。
また、任意売却では、金融機関との交渉次第で売却時期を調整できます。
離婚の時期に合わせて売却時期を決められます。

□まとめ

離婚によって住宅ローンが残った場合、任意売却は必ずしも最善の選択ではありません。
オーバーローンとアンダーローン、それぞれのケースにおけるメリット・デメリットを理解した上で、適切な選択肢を選ぶことが重要です。
任意売却は、競売に比べて高く売却できる、周囲に知られずに売却できる、売却資金や時期の融通がきくなどのメリットがあります。

しかし、任意売却は手続きが複雑で、専門知識が必要となる場合もあります。
離婚による住宅ローンの問題に直面した際には、不動産会社に相談し、状況に合わせた最適な解決策を見つけることが重要です。