相続放棄された家はどうなる?管理義務を怠る危険性も解説!
家を相続した場合、相続税をはじめとした税金が課されるため多大な費用がかかります。
そのため、相続放棄を検討される方も多いでしょう。
しかし、相続放棄をしただけでは家の管理義務まで放棄できません。
そこで今回は、相続放棄された家はどうなるのかについてご紹介します。
□相続放棄された家はどうなる?
相続人が放棄したとしても、他にその家を相続する人がいる場合は、特に問題はありません。
しかし、相続する人全員が相続放棄を行うと、相続放棄された家の処分方法が問題となります。
相続放棄した人に代わって、相続財産を管理する「相続財産管理人」が選ばれている場合は、その人が家を売りに出して資金に換え、縁故者に資金を分配します。
一方で、いない場合は相続放棄された家の近隣住民に迷惑がかかることも考えられるため、行政機関によって強制的に取り壊しが行われるでしょう。
また、相続放棄をしてもその責任から逃れられるわけではなく、次の相続人や相続管理人が相続財産の管理を始めるまでは、管理義務が残ります。
そのため、次の相続人が決まるまでの期間中は定期的に家を手入れしなければいけません。
□相続放棄した家の管理義務を怠るのは危険!
相続放棄した人が次の相続人が決まるまでの期間に管理義務を怠った場合、主に2つのことが考えられます。
1つ目は、他の相続人に対しての損害賠償責任を負うことです。
例えば、相続放棄をした相続人がマンションの管理義務を行ったことにより雨漏れが生じて他の住民に被害が及んだ場合、そのことに対する損害賠償請求を受ける可能性があります。
また、相続放棄をすることを選んだ人が次の相続人である人に、相続放棄を伝えていなかった場合も損害賠償請求をされる場合があります。
そのため、相続放棄をする際の手続きには気をつけましょう。
2つ目は、近隣で被害が出た場合の責任を負うことです。
前述した内容と似ている部分もありますが、自分が管理していた家の塀や木が倒れて近隣の家に被害が発生した際は、たとえ相続放棄をしていても、次の相続人が見つかるまでは責任を負わなければいけません。
□まとめ
今回は、相続放棄された家はどうなるのかについてご紹介しました。
相続放棄された家は、相続財産管理人が選ばれなかった場合、行政機関で強制的に処分されます。
また、相続放棄した人は次の相続人が見つかるまでは管理人としての義務があるため、その義務を果たすようにしましょう。