土砂災害警戒区域にある不動産を売買する際の規制や注意点をご紹介します

災害大国ともいわれる日本では、多くの地域が土砂災害警戒区域に指定されています。
土砂災害警戒区域にある不動産を売却したいものの、なにか特別な条件があるのではと案じて、なかなか取りかかれていない方もいらっしゃるでしょう。
今回は、土砂災害警戒区域を売却する際の規制と注意点をご紹介します。

□ 土砂災害警戒区域を売買する際の規制は?

土砂災害の危険があるエリアは、「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」の2種類に分かれます。
不動産がどちらのエリアにあるかによって、売却時の規制は異なります。

*土砂災害警戒区域(イエローゾーン)

ハザードマップ上ではイエローゾーンに当たるエリアで、土砂災害のリスクはあるものの不動産売買に関する制限は特になく、通常通りの方法で行えます。
土砂災害のリスクを予想することは非常に困難であるため、現時点で可能性がある地域が土砂災害警戒区域に設定されます。

売主は、買主に対して土砂災害警戒区域にあたる不動産であることを告知する義務がありますが、国や市町村から承諾を得る必要はありません。

*土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)

土砂災害警戒区域よりもさらに危険度の高いエリアを指し、ハザードマップではレッドゾーンとして表記されています。
土砂災害特別警戒区域にある不動産の売買契約を結ぶ際は、都道府県知事の承諾が必要です。

元々は土砂災害特別警戒区域ではなかったものの、居住中に指定されたというケースが多いようです。
土砂災害特別警戒区域に指定されたエリアの不動産売買は、手続きが複雑になり、コストもかかります。
また、購入時よりも不動産の価格が大幅に下がり、買い手探しに困難することが予想されるでしょう。

□土砂災害警戒区域を売却するときの注意点

売買契約に特別な条件を要さない土砂災害警戒区域の不動産でも、昨今多発している豪雨被害を懸念して購入を躊躇う方が増えています。
イエローゾーンの住宅は土砂災害が発生しても、倒壊するほどの影響は受けないとされていますが、避難勧告が発令される可能性はあります。

そのため、ある程度売却価格を相場より低めに設定しておくと、買い手が見つかりやすくなるかもしれません。

土砂災害特別警戒区域にあたる不動産は、都道府県知事の承諾が必要なことに加えて、建て替えに条件があります。
それは、土砂が流れ込む側の外壁を鉄筋コンクリート造にして、耐久性を高めておくことです。

土砂災害特別警戒区域の特性を把握した上で、売却に臨むようにしましょう。

□まとめ

今回は、土砂災害警戒区域にあたる不動産を売買する際の規制や注意点をご紹介しました。
土砂災害特別警戒区域の不動産売買には都道府県知事の承諾が必要であるとともに、買い手探しは長期間勝負になることが予想されます。
そのため、スケジュールに余裕を持って取り掛かるようにしましょう。
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